こんにちは。
新コロナウイルスの騒動はいつまで続くのでしょうか。
当院は遠くからいらっしゃる方が多いので、公共交通機関を利用しないといけない方もいらっしゃいます。
今こんな状況ですから、マスク着用、アルコール消毒は必ずお願いします。
産後のお母さんは反り腰・猫背になるというマニュアルがどこかにあるのか、産後のお母さんは反り腰でもないのに反り腰だと言われたり、猫背でもないのに猫背だと言われたりしている方が、当院へいらっしゃいます。
確かに、反り腰・猫背になる方は多くいらっしゃいます。しかし、ちゃんと胸椎角を測っての猫背という判断ならまだしも、立位の横から写真を撮って写真とにらめっこしても骨盤が反っているとか、猫背だとかはちゃんと判断できない。
多くの方が反り腰・猫背にはなると言いましたが、みんながみんなそうにはならない。
たぶん、どこかにそんなマニュアルがあるのでしょう。当院にはそんなマニュアルはない。一人一人違うからです。
猫背なら頭部と胸椎の位置関係や、胸椎角を取って判断する。単なる胸椎カーブだけでは判断しない。
反り腰って、骨盤のASISとPSISを結んだ線の角度から分かるのでしょうか?
それは寛骨の角度であって、腰の角度ではないでしょう(笑)
このままいくと、詳しい話になるので、ここまでにして、今日は腰が反っているからと言われて教えられる「腰椎体操」について書きます。
さて、反り腰に対する腰椎体操とはこんなやつです。
これはウィリアム体操と呼ばれる体操の一つです。腰が反っているから、その反り腰を伸ばせばいい、という単純な発想です。
ちなみに、マッケンジー体操とは逆ですね。
これは反り腰の方がやると、余計に反りを進行させてしまいますのでご注意を。
さて、反り腰用のこの体操、本当に効くのでしょうか?
腰椎が反っているから伸ばすという、単純な発想で体はできていませんので、悪しからず。
この体操では、仙腸関節のメカニズムを無視しています。
この体操による仙骨の動きが引き起こす現象を無視しているのです。
無視したせいで、この体操をすると仙腸関節が不安定になります。不安定を作っている体操なのです。
ただ、人の体は賢いので、また反り腰を作って元の安定した位置まで戻ろうとします。
ゆえに、ただの反った腰のストレッチにしかならないのです。
人の体は部品で成り立っているのではありません。それぞれ隣接した関節同士がうまく関係性を保ちつつ、今一番いい状態を保っているのです。
ですから、腰なら腰、股関節なら股関節などと分離して考えて、単純な運動を処方しても、効果はありません。
運動器を見る医療施設(病院やクリニック、整骨院、鍼灸院、整体院、スポーツジムなど)で人の体を見る方は、運動連鎖(キネマティックチェーン)を理解しているのが必須ですね。